SEO (Search Engine Optimization) 解説記事
1 はじめに
一言でいうと
SEO(検索エンジン最適化)とは、「Webサイトを検索エンジンのアルゴリズムにとって理解しやすく、かつユーザーにとって有益な状態に整えることで、検索結果での上位表示を目指す技術」です。
なぜ今、重要なのか
インターネット上には無数のWebサイトが存在します。どれほど素晴らしいコンテンツやサービスを作っても、GoogleやBingなどの検索エンジンに見つけてもらえなければ、それは「無人島にお店を開く」ようなものです。 広告費をかけずに継続的な流入(オーガニックトラフィック)を得るための手段として、SEOはWebマーケティングおよびWeb開発の基礎教養として不可欠です。近年では単なるキーワードの埋め込みではなく、「ユーザー体験(UX)」や「技術的な健全性(Technical SEO)」が強く求められています。
2 ビギナー向け・ドキュメント
概要:図書館の司書さんに本を届ける
SEOの仕組みを「巨大な図書館」に例えてみましょう。
- あなた: 本(Webサイト)の執筆者。
- Google: 巨大な図書館の司書さん。
- ユーザー: 本を探している来館者。
司書さん(Google)は、世界中のあらゆる本を読み込み、整理整頓(インデックス)しています。ユーザーから「美味しいコーヒーの淹れ方について知りたい」と聞かれたとき、司書さんは「最も内容が正確で、読みやすく、信頼できる本」を瞬時に選んで紹介(ランキング表示)します。
もし、あなたの本が「タイトルが白紙」だったり、「ページが破れている(表示速度が遅い)」状態だったりしたら、司書さんは紹介してくれません。SEOとは、司書さんに「この本は素晴らしいですよ」と正しく伝えるために、タイトルをつけ、目次を整え、内容を充実させる作業のことです。
公式情報・リファレンス
SEOにおいて最も重要なのは「検索エンジンのルール」を知ることです。以下の公式情報は必ずブックマークしておきましょう。
- Google 検索セントラル (旧ウェブマスター向けガイドライン): https://developers.google.com/search/docs?hl=ja SEOのバイブルです。まずは「スターターガイド」から読みましょう。
- Google 検索品質評価ガイドライン (英語): https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/en//searchqualityevaluatorguidelines.pdf Googleが「何をもって高品質とするか(EEATなど)」の基準書です。
- Schema.org: https://schema.org/ 構造化データの標準規格です。
導入:セマンティックなHTMLの実装
SEOの第一歩は、正しいHTMLタグを使って文書構造を伝えることです。見た目だけでなく、タグの意味(セマンティクス)を意識しましょう。
<div class="title">私のブログ</div>
<div class="content">今日はSEOについて勉強しました。画像です。</div>
<img src="img001.jpg">
<header>
<h1>SEO(検索エンジン最適化)入門</h1>
</header>
<main>
<article>
<p>今日はSEOの基礎構造について学習しました。</p>
<section>
<h2>画像の扱い方</h2>
<p>検索エンジンは画像の内容を目視できません。alt属性が必須です。</p>
<img src="seo-structure-diagram.jpg" alt="SEOの内部構造を説明した図解チャート" width="600" height="400">
</section>
</article>
</main>
3 会話集
エンジニアやマーケターの現場でよくあるSEOに関する会話例です。
Q1. サイトを公開したのにGoogleに出てきません。
エンジニアA: 「まずは『インデックス』されているか確認しましたか?
site:あなたのドメインで検索して何も出なければ、Googleがまだサイトを見つけていないか、noindexタグが入っている可能性があります。Search ConsoleでURL検査をしてみてください。」
Q2. ReactやVueなどのSPA(シングルページアプリケーション)はSEOに弱い?
エンジニアB: 「昔はそうでしたが、今のGoogleのクローラーはJavaScriptを実行できるので基本的には大丈夫です。ただ、レンダリングに時間がかかると評価されないこともあるので、確実性を取るならNext.jsやNuxtを使った『SSR(サーバーサイドレンダリング)』や『SSG(静的サイト生成)』を検討するのがベストプラクティスですね。」
Q3. 検索順位を上げる魔法のテクニックはありますか?
マーケターC: 「残念ながら魔法はありません(笑)。昔流行ったキーワードの詰め込みや隠しテキストなどの『ブラックハットSEO』は、今はペナルティ対象です。結局のところ、ユーザーの検索意図(インテント)を最も満たすコンテンツを作り、サイトの表示速度を上げることが、遠回りに見えて一番の近道です。」
4 より深く理解する為に
検索エンジンの3つのプロセス
Googleが検索結果を表示するまでには、大きく3つの工程があります。
- クロール (Crawling): クローラー(Googlebot)がリンクを辿ってWebページを発見する。
- インデックス (Indexing): 発見したページの内容を解析し、データベースに保存する。
- ランク付け (Ranking): 検索クエリに対して、最も関連性が高いページを順位付けして表示する。
3つの柱:SEOの分類
実務では、以下の3つの領域に分けて対策を行います。
- テクニカルSEO (土台):
- クローラーが巡回しやすいサイト構造にする(XMLサイトマップ、robots.txt)。
- 表示速度の高速化(Core Web Vitals)。
- SSL化(HTTPS)、モバイルフレンドリー対応。
- コンテンツSEO (中身):
- 検索キーワードの選定と、検索意図に合致した記事作成。
- 独自性、専門性、信頼性の確保(E-E-A-T)。
- 外部対策 (評判):
- 被リンク(他の信頼できるサイトからリンクされること)。
- SNSでのサイテーション(言及)。
モダンSEOのトレンド:Core Web Vitals
近年、Googleは「ページエクスペリエンス」をランキング要因に組み込みました。特に以下の指標(Core Web Vitals)が重要です。
- LCP (Largest Contentful Paint): メインコンテンツの表示速度。
- INP (Interaction to Next Paint): 操作(クリックなど)に対する応答性。
- CLS (Cumulative Layout Shift): 読み込み中のレイアウトのズレ(視覚的安定性)。
5 関連ワード
この記事を理解する上で重要な5つの用語です。
- SERP (Search Engine Results Page):
- 検索結果ページのこと。「サープ」と読みます。ここにどう表示されるかが勝負です。
- canonical (カノニカル) タグ:
- 内容が重複しているページがある場合、「これが正規のページです」とGoogleに伝えるためのタグ。評価の分散を防ぎます。
- 被リンク (Backlink):
- 外部のサイトから自サイトへ向けられたリンク。Googleはこれを「他者からの投票・推薦」とみなし、サイトの権威性を評価します。
- 構造化データ (Structured Data):
- HTMLの中に書く、「これはレシピです」「これはイベント情報です」といったメタデータ。JSON-LD形式で記述するのが一般的です。
- ロングテールキーワード:
- 「スニーカー」のような単一ワードではなく、「スニーカー メンズ 赤 30代」のように複数の語句を組み合わせた検索ワード。検索数は少ないですが、コンバージョン(購入など)につながりやすい傾向があります。
6 要点チェック
- ユーザーファースト: Googleのためではなく、ユーザーのために役立つサイトを作ることが最大のSEO対策である。
- 技術的基盤: どんなに良いコンテンツも、クローラーが読み取れなければ(インデックスされなければ)意味がない。
- セマンティックHTML: 正しいHTMLタグの使用は、アクセシビリティ向上とSEOの両方に寄与する。
- E-E-A-T: コンテンツの評価基準として「経験・専門性・権威性・信頼性」が重視されている。
- 継続性: アルゴリズムは日々変化する。一度やって終わりではなく、継続的なモニタリングと改善が必要。