4大ツール徹底比較:GitHub / Bitbucket / GitLab / Backlog
1 はじめに
これらのツールは何か
GitHub、Bitbucket、GitLab、Backlogは、主にGitを用いたソースコードのバージョン管理と、チーム開発におけるタスク・プロジェクト管理を行うためのプラットフォームです。 単にコードを保存するだけでなく、開発プロセスの自動化(CI/CD)、バグ追跡、ドキュメント管理など、ソフトウェア開発のライフサイクル全体を支える基盤となります。
なぜ今、これらの選択が重要なのか
リモートワークやチーム開発が当たり前になった現在、どのプラットフォームを採用するかは「チームの生産性」と「開発文化」に直結します。 「オープンソース活動を重視するか」「非エンジニアとも協業するか」「既存のJira環境と連携させるか」など、プロジェクトの性質に合わせた最適なツールの選定が求められています。
2 ビギナー向け・ドキュメント
概要:巨大な「共有倉庫」と「司令室」
これらのツールは、プログラムの設計図(ソースコード)を保管する「巨大な共有倉庫」であると同時に、誰が何をするかを指示する「司令室」の役割も果たします。
- 倉庫機能 (Git): 誰がいつ、どのファイルを変更したかを記録し、誤って消しても過去の状態に戻せます。
- 司令室機能 (Issue/Ticket): 「バグを直す」「新機能を作る」といったタスクをチケットとして管理し、進行状況を可視化します。
公式情報・主要リソース
各サービスの公式サイトとドキュメントです。
- GitHub (世界標準): https://docs.github.com/ja
- Bitbucket (Atlassian製品): https://support.atlassian.com/ja/bitbucket-cloud/
- GitLab (DevOps統合): https://docs.gitlab.com/
- Backlog (国産・直感的): https://backlog.com/ja/git-guide/
導入:基本のCloneコマンド
どのサービスを使っても、基本となるGit操作は共通です。まずはリポジトリを手元にコピー(クローン)することから始まります。
# GitHubやその他サービスからコードを手元にダウンロードする
git clone https://github.com/ユーザー名/リポジトリ名.git
# ダウンロードしたフォルダに移動
cd リポジトリ名
# 現在の状態を確認
git status
3 会話集
ツール選定の現場や、開発チーム内でよく交わされる会話例です。
Q1. 結局、どれを選べばいいの?
リーダー: 「開発チームだけで完結するならGitHubがデファクトスタンダードで情報も多いから無難だね。でも、企画職や営業の人もタスク管理に参加するなら、アイコンやUIが親しみやすいBacklogの方が抵抗なく使ってもらえるよ。」
Q2. Bitbucketを使うメリットは?
エンジニア: 「ウチの会社、タスク管理にJiraを使ってるでしょ? Bitbucketは同じAtlassian製品だから、Jiraのチケットとコードの紐付けが超強力なんだ。『このタスクの修正コードはこれ』って一発でわかるようになるよ。」
Q3. GitLabって何が凄いの?
CTO: 「GitLabは『全部入り』なところかな。ソース管理だけじゃなくて、テストやリリースの自動化(CI/CD)機能が最初から統合されているんだ。自社サーバーにインストールして使う(オンプレミス)事例も多いね。」
4 より深く理解する為に
各ツールの技術的特徴とポジショニング
| ツール | 主な特徴 | 推奨ユースケース |
|---|---|---|
| GitHub | 世界最大のOSSコミュニティ。GitHub Actions (CI/CD) が強力。AI支援機能 (Copilot) で先行。 | OSS開発、一般的なWeb開発、AI支援を受けたい場合。 |
| Bitbucket | Jira, Trelloとの強力な連携。以前からプライベートリポジトリ無料枠があったため古くからのユーザーも多い。 | 既にAtlassian製品 (Jira/Confluence) を導入している企業。 |
| GitLab | コード管理からセキュリティスキャンまで単一アプリで完結するDevOpsプラットフォーム。 | 自社サーバーで運用したい場合や、ツールを一本化したい場合。 |
| Backlog | 国産。Git機能に加え、ガントチャートやWikiが充実。UIが非エンジニア向け。 | エンジニア以外(デザイナー、営業)も含むチーム、SIer、受託開発。 |
実務での注意点(ベストプラクティス)
- 認証のセキュリティ: どのツールもパスワード認証は廃止・非推奨の傾向にあります。SSH鍵認証や個人アクセストークン(PAT)の設定が必須です。
- 権限管理: 「誰がコードを本番環境に反映(マージ)できるか」の権限設定はプロジェクト開始時に厳密に行いましょう(例:GitHubのBranch Protection Rule)。
- BacklogのGit活用: BacklogはGit機能が後から追加された経緯があるため、課題キー(例:PROJECT-123)をコミットメッセージに含めることで、課題とコードを自動リンクさせる運用を徹底すると便利です。
5 関連ワード
この記事を理解する上で重要なキーワードです。
- Pull Request (プルリクエスト) / Merge Request:
- 自分のコード変更を本体に取り込んでもらうよう依頼する機能。GitHub/Bitbucket/Backlogでは「Pull Request」、GitLabでは「Merge Request」と呼びます。
- CI/CD (継続的インテグレーション/デリバリー):
- コードが保存されたら自動でテストやデプロイを行う仕組み。GitHub ActionsやGitLab CI/CDが有名。
- Issue (イシュー) / Ticket (チケット):
- やるべき課題やバグ報告を管理する単位。
- SSH Key (SSH鍵):
- PCとサーバーを安全に接続するためのデジタル鍵。毎回パスワードを入力しなくて済むよう設定します。
- Gantt Chart (ガントチャート):
- Backlogが得意とする、プロジェクトのスケジュールを帯状のグラフで視覚化する機能。
6 要点チェック
- [ ] GitHubは世界標準。OSS開発や最新のAI機能を使いたいならこれ。
- [ ] BitbucketはJiraとの連携が最強。Atlassian経済圏の企業向け。
- [ ] GitLabはDevOps全部入り。自社サーバーでの運用にも強い。
- [ ] Backlogは国産でUIが優しい。非エンジニアを含むチームや、ガントチャートが必要な現場に最適。
- [ ] どのツールもGitという基本技術は同じ。チームの文化に合わせて選ぶのが正解。