FullStackEngineer 2026年1月1日更新

Testing & CI/CD / テストと自動化

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Testing & CI/CD:バグを減らし、リリースを加速する自動化の技術

1 はじめに

この技術を一言でいうと: 「ソフトウェアの品質チェック(テスト)と、ユーザーへの提供プロセス(デプロイ)を、ロボットに任せて自動化する仕組み」のことです。

なぜ今この技術が重要なのか: 昔は「開発が終わったら、人間が手動でテストし、手作業でサーバーにアップロード」していましたが、これでは時間がかかり、ミスも多発します。 現代のアジャイル開発では「毎日、あるいは1日に何度もリリースする」ことが求められます。CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)は、コードを書いた瞬間に自動で検査・統合・出荷を行うことで、「速さ」と「品質」を両立させるために不可欠なインフラです。

2 ビギナー向け・ドキュメント

概要:ベルトコンベアで例えるCI/CD

自動車工場をイメージしてください。

  • Testing (テスト): 部品が規格通りか、ドアが閉まるかなどをチェックする工程。これを人間がいちいち目で見て行うのではなく、センサーで自動チェックするのが「自動テスト」です。
  • CI (継続的インテグレーション): 各パーツ(開発者が書いたコード)を、メインの組立ライン(リポジトリ)に頻繁に統合すること。ここで自動テストが走り、「噛み合わせ」を確認します。
  • CD (継続的デリバリー/デプロイ): 完成した車を、自動でトラックに乗せて販売店(本番環境)まで運ぶこと。

この「検査から出荷まで」の一連の流れを全自動のベルトコンベア(パイプライン)にするのが、CI/CDの役割です。

公式情報・代表的なツール

CI/CDやテストには多くのツールがあります。

導入:GitHub ActionsのHello World

GitHubのリポジトリに .github/workflows/main.yml というファイルを置くだけで、CIが動き出します。以下は「コードがプッシュされたら、自動で挨拶を表示する」だけの最もシンプルな例です。

name: Hello CI

# いつ実行するか(トリガー): mainブランチへのpush時
on:
  push:
    branches: [ "main" ]

jobs:
  build:
    # 実行環境(Ubuntu Linux)
    runs-on: ubuntu-latest

    steps:
      # リポジトリのコードをチェックアウト(取得)
      - uses: actions/checkout@v3

      # コマンド実行
      - name: Run a one-line script
        run: echo Hello, World! This is my first CI pipeline.

3 会話集

開発現場における、テストと自動化に関する会話例です。

Q1: テストを書く時間がもったいない?

新人: 「納期が厳しいので、テストコードを書かずに機能だけ実装してもいいですか?」 リーダー: 「ダメです(即答)。今テストを書かないと、後でバグが出た時の調査と修正に3倍以上の時間がかかります。それに、テストがないと怖くてリファクタリング(コード整理)ができなくなりますよ。」

Q2: 「CIが落ちた」ってどういう意味?

エンジニアA: 「すみません、さっきのマージでCI落ちちゃいました。」 エンジニアB: 「あ、Lintエラーかテスト失敗かな? CIが通らないと本番に反映できない設定にしてあるから、ログを見て修正をお願いします。」

Q3: デプロイの手順書どこですか?

中途社員: 「本番リリースの手順書(Excel)はどこにありますか?」 古参社員: 「うちは手順書はありません。mainブランチにマージされたら、CDパイプラインが自動で検証環境と本番環境にデプロイします。人間が手作業すると事故るからね。」

4 より深く理解する為に

アーキテクチャ:テストのピラミッド (Test Pyramid)

効果的なテスト戦略にはバランスが重要です。Googleなどが提唱する「テストのピラミッド」という概念があります。

  1. Unit Tests (単体テスト): ピラミッドの底辺。関数やクラス単位の細かいテスト。実行が高速なので大量に書く。
  2. Integration Tests (結合テスト): 中間層。データベースとAPIの連携など、モジュール間のテスト。
  3. E2E Tests (End-to-Endテスト): 頂点。ブラウザを自動操作して、ユーザーと同じ動き(ログイン→購入など)をテストする。信頼性は高いが、実行が遅く壊れやすいため、数は絞る。

デプロイ戦略:Blue/Greenデプロイ

CD(継続的デプロイ)の高度な手法として、Blue/Greenデプロイがあります。 * Blue (現本番環境): 稼働中。 * Green (新環境): 新しいバージョンをデプロイ。 * 切り替え: ユーザーからのアクセス(ロードバランサ)をBlueからGreenへ一瞬で切り替える。 * メリット: 万が一バグがあっても、すぐにBlueに戻せばよいので安全性が高い。

5 関連ワード

  1. TDD (テスト駆動開発): 「実装する前に、まず失敗するテストを書く」という開発手法。要件定義が明確になり、シンプルな設計になります。
  2. Regression Test (回帰テスト): 新しい機能を追加したせいで、元々動いていた機能が壊れていないかを確認するテスト。自動化による恩恵が最も大きい領域です。
  3. Mock / Stub (モック / スタブ): テスト時に「本物のデータベース」や「外部API」を使うと遅いので、それらの代わりをするハリボテ(偽物)のオブジェクト
  4. Code Coverage (カバレッジ): テストコードが、製品コードの何%を通過(網羅)したかを示す指標。「カバレッジ80%以上でないとマージ禁止」といったルールによく使われます。
  5. Flaky Test (フレーキーテスト): コードは変わっていないのに、タイミングや環境によって成功したり失敗したりする不安定なテスト。「狼少年」になり信頼を失うので、撲滅対象です。

6 要点チェック

  • Testingは、バグの早期発見と、修正時の安心感(リグレッション防止)を提供する。
  • CI (継続的インテグレーション)は、チーム全員のコードを毎日統合し、常に「動く状態」を保つ習慣。
  • CD (継続的デリバリー)は、テストをパスしたコードを自動で本番環境へ届ける仕組み。
  • 手動テスト・手動デプロイは人為的ミスの温床。自動化することで開発速度と品質が向上する。
  • テストは「単体テスト」を厚くし、「E2Eテスト」は要点を絞る(ピラミッド構造)のがベストプラクティス。

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